2013年9月3日

 

「経友」編集後記

 

今年も大変な猛暑と異常気象が続きました。高知県四万十市では観測史上1位の41度を記録、昨日(2013年9月2日)には埼玉県と千葉県でスーパーセルと呼ばれる激しい嵐と竜巻被害が報道されました。

経済学に従事する者として、猛暑といえば、電力不足問題、特に市場自由化が連想されます。電力需要が大きく拡大している現状では、電力供給を独占に一本化するより、多くの発電事業者が競争的に供給することのメリットが高くなります。また、通信技術の進展によって、スマートグリッドと呼ばれる電力網を整備すれば、小規模事業者と消費者をリアルタイムで結びつけることが出来ます。

このため、世界中が、電力市場自由化へ移行してきています。しかし、日本はどうやら立ち遅れ気味。2011年の東日本大震災時にはクローズアップされたものの、電力市場設計の具体案はいまだ不明瞭です。

電力市場設計は、決して容易でありません。備蓄は困難だし、一歩間違えると、価格乱高下と大規模停電をまねきます。そのため、経済学者は、電力価格がどのように決まるかのマイクロストラクチャーを、きちんと理解する必要にせまられます。

私が学部生だった1980年ごろは、価格決定といえば需要と供給のバランスだと相場が決まっていました。今でもこの考えかたは基本ですが、これだけではもはや不十分。価格の決まり方については、バブルと金融危機が問題になった時にも、やはりクローズアップされました。このことは、電力価格の問題とも根本においてつながっているのです。学問は、時を経て変化し、進展します。英知を結集すれば、困難な道もいずれ開けるはず。

さて、NHKの朝ドラ「あまちゃん」が大ヒット中です。朝早い私は、連ドラ予約までして夜欠かさず見ている始末。岩手県出身の高校生が東京に出てタレントを目指すという、ユルい設定ですが、今週から東日本大震災のシーンがオンエア。どうなることやら。